痔のことなら寺田病院
生活習慣病とのおつきあい

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 肝臓の病気
 
■A型肝炎
 
病態 A型肝炎ウィルスの感染による肝炎です。伝染性が高く、飲料水などから集団発生することがあります。慢性化,再発,劇症化はごく稀。
症状 インフルエンザ様(発熱,全身倦怠感,不定消化器愁訴,筋肉痛)症状で始まり、徐々に黄疸,皮膚のかゆみなどの症状がでます。
検査 血液検査による肝機能検査と血清中のIgM 型HA 抗体の証明にて確定診断できますが、抗体検査の結果が出る頃には症状は緩解していることが多いです。
治療 一般的に保存的治療。安静にし食事(高カロリー高たんぱく食)療法。

 
■B型肝炎
 
病態 B型肝炎ウィルスの感染による肝炎です。母親からの感染(出産時)や輸血を介しての血液感染,性行為感染が主。 
症状 80〜90%は無症状に経過するが、残りは慢性化,劇症化,肝細胞癌に発展する。慢性肝炎の症状(肝機能異常がひどくなると)インフルエンザ様(発熱,全身倦怠感,不定消化器愁訴,筋肉痛)症状で始まり、徐々に黄疸,皮膚のかゆみなどの症状がでます。
 
B型の劇症化の割合は劇症肝炎の7割と高い。 
検査 血液検査による肝機能検査と血清中のHB 抗原、HB 抗体の証明にて確定診断できます。またさらに詳しくみる事により感染力の強弱や現在,既往の感染が診断できます。
治療 症状のある時は、一般的に保存的治療。安静にし食事(高カロリー高たんぱく食)療法。

 
■劇症肝炎
 
病態 急性肝障害による重篤な肝疾患で肝不全と意識障害を主徴とする。発症後10日以内に脳症が発現するものを急性型,それ以後に発症するものを亜急性型と分類する。B 型肝炎ウィルスによるものが最も多い。生存率約20%と予後不良である。
症状 全身症状としてインフルエンザ様(発熱,全身倦怠感,不定消化器愁訴,筋肉痛)症状で始まり、症状の重篤化により高度の黄疸,肝性口臭,腎不全を合併し乏尿を来たす。神経症状として意識障害(肝性脳症),羽ばたき振戦を呈する。
検査
肝不全症状
血液検査で増加するもの・・・分解・異化の障害
血液検査で低下するもの・・・肝での合成障害

重症度の指標

  1. プロトロンビン時間延長(出血傾向)≦40 %
  2. アルブミンの低下<2.5g/dl
  3. 腹水,浮腫,肝性脳症
  4. 肝細胞量(コリンエステラーゼ)減少
  5. エステル型コレステロール減少
  6. LCAT 減少
  7. 血中アンモニア上昇
  8. ビリルビン上昇
治療 劇症肝炎の死亡原因
  1. 感染症(肺炎,敗血症)
  2. 腎不全
  3. 消化管出血(胃腸の出血のコントロールがつかなくなります)
  4. DIC (播種性血管内凝固)(出血が止まらなくなります)

治療は肝臓に対するものだけでなく、全身管理が必要

  1. 透析,血漿交換,交換輸血
  2. ステロイド・・・肝細胞壊死の抑制を図ります
  3. 脳浮腫の予防や改善
  4. 肝再生
  5. 肝性脳症に対する治療

 
■自己免疫性肝炎
 
病態 40歳以降の女性に多く見られます。自分の肝細胞に対して免疫反応が起こり、肝細胞が破壊され続けて慢性肝炎になります。ウィルス性肝炎より進行が早く、発症して早期に肝硬変になることがあるので適切な時期に治療を受けることが必要です。
症状 黄疸,腹水,出血傾向など。早期に肝硬変に移行する。また、約半数が他の自己免疫性疾患を引き起こし関節痛や月経異常を伴うことがあります。
検査
免疫異常(免疫のシステムが正しく機能せず、過剰な反応をしたり自分自身に対して攻撃をしてしまう)を示す自己抗体(抗核抗体)や慢性肝炎を示す血清免疫グロブリン濃度を調べます。
治療 ステロイド治療が有効。

 
■肝硬変
 
病態 肝細胞の高度の線維化が進み肝臓が硬くなることで肝臓に流入する門脈の血液量が減り、その分食道や、胃の静脈に過剰な量の血液が流入し静脈を拡張させます。(静脈瘤)
症状 「肝硬変の代償期」・・・初期は自覚症状なく日常生活を送れます。

「肝硬変の非代償期」・・・病気が進行すると全身倦怠感,疲労感,腹部膨満感,食思不振などの訴え、さらに進むと黄疸,精神障害,腹水,筋萎縮などの栄養障害がでます。ホルモンの代謝異常から手掌紅斑(手のひらが赤くなる)やクモ状血管腫(腹部の皮下静脈の拡張)が出てきます。男性では女性化乳房(女性のように乳房が膨らむ)が見られることもあります。

検査
健康な肝臓とどの位肝機能が低下しているのか(肝の予備能)を知る為に肝細胞がつくるタンパクでるアルブミンと血液凝固因子の量を調べます。肝予備能にしたがって上昇するビリルビンの数値も重症度を知る参考になります。栄養代謝の状態を知るにはアルブミン,アミノ酸,アンモニア,血糖などを調べます。また胃カメラ(上部内視鏡検査)により食道や胃の静脈瘤の有無や状態を調べ出血の起こり易さを定期的に観察します。また肝細胞癌の合併を早期に発見する為定期的な腹部超音波検査を施行します。
治療 「肝硬変の代償期」・・・安静,高蛋白高カロリー食,肝庇護剤の投与

「肝硬変の非代償期」・・・

  1. 浮腫,腹水の治療(食塩制限,血漿タンパクの補給,利尿剤投与)
  2. 消化管出血に対する治療
  3. 肝性昏睡に対する治療

要するに肝硬変になってしまうともう肝臓は正常には戻らない為、保存的な対症療法しか治療法はないのです!肝硬変になる前になんとしてもくい止めねばなりません!


 
■肝細胞癌
 
病態 肝硬変から移行します。原因としてはB型肝炎ウィルス関連が約17%。C型肝炎ウィルス関連が約76%といわれておりこの2 つの感染の持続が原因のほとんどです。このどちらかに感染している場合は肝細胞癌の可能性を視野に入れて診療を受ける必要があります。
症状 特有の症状があるわけではありません。ですから肝硬変や慢性肝炎で診療を受けている場合は肝細胞癌を早期に発見する為に定期的検査が必要になります。
検査

血液腫瘍マーカー(α-フェトプロテイン,PIVKA-「)・・・癌細胞がつくるたんぱく質が血液中に分泌され、そのたんぱく質の血液中での濃度が上昇することによって、癌の存在を知ることができます。

画像検査(癌の腫瘤や転移を見つける為)・・・腹部超音波検査,CT ,MRI

治療 外科的切除・・・肝細胞癌が同一肝区域内に存在することや、腹水,肝性脳症のないこと,また切除後の肝機能が保たれることが必須条件となる。

経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE )・・・肝細胞癌の主たる栄養血管である肝動脈を薬物で塞栓し癌細胞を兵糧攻めにする方法で同時に抗がん剤を注入することもある。

経皮的エタノール注入療法(PEIT )・・・超音波で観察しながら皮膚より癌細胞へ針を刺しエタノールを注入させ、癌細胞を壊死させる方法。


 
■アルコール性肝障害
 
病態 長年にわたる過剰のアルコール摂取でおこる。アルコールの直接の肝障害に加えてアルコールの代謝産物である「アセトアルデヒド」が肝障害を起こします。
この代謝産物はアセトアルデヒド脱水素酵素で無害化されますが、遺伝的にこの酵素がない人や低下している人がいます。このような人はたとえ少量の飲酒でも肝障害を起こします。また逆に多飲する人でも肝障害がアルコールによるものと断定するのは危険です。肝炎ウィルスの感染など他の原因を調べることや禁酒により肝機能の改善があるかを確認することが必要です。
症状 飲酒量が急激に増えるとアルコール性肝炎になります。腹痛,発熱,黄疸を引き起こし重症の場合は肝不全や腎機能が悪化し、死に至ることもあります。飲酒を続けると脂肪(アルコール性脂肪肝)や線維質(アルコール性肝繊維症)が肝臓に沈着されるようになります。この時期は主に無症状ですが、さらに繊維化が増えて肝硬変になると肝不全の症状がでてきます。また食事をしないで飲酒するとことによって栄養障害が症状として出ることがあります。
検査

他の肝障害と比べてアルコール性肝障害は肝機能検査の中でγ-GTPの上昇が目立ちます。ビリルビン高値,血液凝固因子の低下,白血球の増加は重症の目安になります。

治療 禁酒が第一。その他、低脂肪食,肝庇護剤。

 
 
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