胃ろう

食事を摂れなくなってしまった患者様に対し医療機関でまず施行するのが点滴です。しかし長期になると流動食を胃に入れる方が自然で、栄養面でも優れています。いままで鼻から管を挿入して栄養剤を注入していたのが一般的ですが肺炎や自己抜去などの欠点が多くみられ、最近では「おなかに小さな口」を造りこの口から栄養剤の注入をする方法が主体となってきました。このおなかの口が「胃ろう」です。

胃ろう造設の適応

a:栄養補給のため

脳梗塞後や中枢神経障害のための嚥下障害

痴呆のための自発的摂食不良

頭部、顔面外傷による摂食不能

咽喉頭、食道、胃上部の狭窄症例

長期に成分栄養を必要とする腸疾患

b:誤嚥性の肺炎を繰り返す症例

経鼻胃管留置に伴う誤嚥

誤嚥のための経口摂取不能

c:減圧目的

胃幽門部(出口)の狭窄

上部小腸閉塞

内視鏡的胃ろう造設術

上部内視鏡(胃カメラ)を使用し胃の中を観察しながら、おなかに穴を開けて「胃ろう」を作成します。静脈麻酔を使用しボーッとしている間に終了してしまいます。時間は20~30分位です。

胃ろう造設のための入院・看護の流れ

基本的に当院では造設手術前日に入院していただきます。

出血傾向のある薬を内服されている場合は約7日前から中止していただきます。

経口摂取が出来ていた方や経鼻胃管にて栄養を得ていた方は約10日間の入院。消化管を長期使用していなかった方は約14日間の入院となります。

造設後の状態に合わせ徐々に栄養の注入量を増やしていきますが、後記の合併症により遅れる場合があります。

入院中にご本人やご家族の方に在宅での胃ろうのケアや使い方を学んでいただきます。

退院後はご紹介いただいた病医院にてフォローしていただくか在宅医療を施行している専門病院をご紹介いたします。

胃ろう部の交換は4ヶ月~6ヶ月に1度の割合です。交換には1日の入院が必要となります。

胃ろう造設における合併症

出血,誤穿刺による他臓器の損傷などがあります。胃ろう造設を中断することや緊急の開腹手術にて対処しなければならない場合もあります。

造設後のトラブル(日常生活上の注意)

事故抜去(自己抜去,脱落,自然抜去):最も避けなければならないトラブルは術後まもない時期の事故抜去です。まだ胃と腹壁とのあいだに癒着がない為、解離してしまい腹膜炎を起こしてしまいます。抗生物質の投与で乗り切れることもありますが、緊急開腹手術の可能性もあります。

カテーテルの埋没,汚れや詰まり:埋没は内視鏡(胃カメラ)により回収したり、外科的に切除し、取り出すことが必要です。ブラシを用い常に汚れないようにする努力が必要ですが、詰まってしまった場合は薬剤の使用や、カテーテルの交換が必要な場合もあります。

スキントラブル:過度の胃壁牽引や皮膚の圧迫,浸出液や栄養剤の漏れなどにより皮膚の発赤,潰瘍,壊死,膿瘍,不良肉芽,瘻孔感染などが起こります。位置の改善や軟膏,抗生剤の使用などで改善しますが、外科的に切除が必要な場合もあります。・肺炎,消化器症状(胃食道逆流,下痢,腹痛,嘔吐),微量元素欠乏

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